どうか経過観察をさせてください!
子育ては不安なことだらけです。
母乳、ミルクに関わらず、どんな栄養法であっても
このやり方で本当に合っているのか?
心配になりますね。
授乳の頻度、ミルク補足の仕方、
赤ちゃんの体重増加度、
不安になるからネット検索して
「あなたのやり方で合ってるよ」
背中を押してくれる情報を探すと思います。
でもねー
同じ人間が一人もいないように、
赤ちゃんの性格も、赤ちゃんの飲み方のくせも、
ママのおっぱいも、ママの心理状態も
全員違うんです。
眠りがちの赤ちゃんに、起きてから飲ませようと
悠長なことしてたら体重は増えないし、
がっつり系の赤ちゃんは、どんなに「くれ!くれ!」と
せがまれても。ミルクを補足する必要はないんです。
みんな違うからこそ、それぞれの特性を細かく観察した上で
Aさんは、今の方法から、この方法に変更して様子をみてみよう
Bさんは、応用編でやってみよう
cさんは、現状のままでOK!
決して、Aさんに適した方法が、BさんやCさんにも
当てはまるわけではないのです。
Cさんのように
「現状維持で大丈夫。このまま自信を持って行ってみよう!」
というケースもあります。
がんばっているママと赤ちゃんを褒め、
不安な気持ちを取り除き応援してあげることで
自信を持ってもらい、
「また不安になったら来てくださいね!」と送り出します。
でも、初めて来院されたママには
Aさん、Bさんのように、検討の結果
改善方法を伝授することが多いです。
その親子が、これまで試行錯誤しながら
一生懸命にやってきた方法を尊重しつつ
「ここはもっとこうしてみようか」
「この場合はこっちの方がいいかな」
適切だと思われる方法への移行を促していきます。
わたしは、助産師として、
自分が指導した内容に、結果が伴っていくかどうかの
経過を見守っていきたいと思っています。
だって、もしもわたしが行ったアドバイスを
ママがうまく守れなかったら?
「言われたとおりやってるつもり」が、
実は間違えて本人に伝わっていたら?
指導した限りは、ちゃんと責任を持って経過観察をして、
その都度、適切な方法を模索しながら
より良い方向へと進んでいくべきだと思っています。
それぐらい、責任を持って親子に向き合っています。
でも・・・
「やり方は教えてもらったから、もういいです!
気が向いたらまた来ます!」
1回きりの指導で、
そのまま来なくなってしまうママがときどきいらっしゃいます。
人それぞれの価値観だから、
それはそれで仕方がないのかもしれません。
もしかしたらわたしの指導の内容が、
そのママにとって腑に落ちない、納得のいかないものだったという
申し訳ない事態だった可能性もあります。
言葉がけの気配りが足りず、
ママの心を傷つけてしまったのかもしれません。
経過観察のための2回目の来院のないママたちには
いろんな事情がおありだとは思います。
でも、アドバイスされたとおりに遂行できていないことに
ママ本人が気づかず、
赤ちゃんが体重増加不良になったり、
逆に一気に増えすぎて胃拡張を起こしてしまったり、
ママがノイローゼ気味になり、
育児困難な心理状態に陥っていたりしたら
わたしは悲しいです・・・。
お願いです。
Aさん、Bさんパターンの親子さんは、
「お金もかかるし・・・」
うん・・・そうなんだけどね。
それはよくわかるんですが・・・
「食」は人間が健康でいるための基本中の基本です。
物言わぬ赤ちゃんにとって、
おっぱいやミルクはまさに命綱なんです!
「寒いし、まだ小さな赤ちゃんだから
連れていくのかわいそうで」
助産院に出かけることは、
嗜好品を買いに出かけるのとは次元が違います。
赤ちゃんが具合悪くても
「寒くてかわいそう」
「お金がかかるから」
病院に連れて行かないのですか?
来院される方々には、どうか
今、あなたと赤ちゃんにとってもっとも優先すべきことは何なのか?
見失わないでほしいと思います。