助産師さんみんないうことが違う
多くのママたちが
困惑していることがあります。
それは
「助産師さんによって言うことが違う!」
ということ。
ばぶばぶでも、よく指導内容の相違に対する
クレームをいただくことがあります。
母乳に関してはとくに考え方が広いので
助産師によって指導が違いすぎるということは
多々あるようで、
ママたちには本当に申し訳なく思います。
でも、
統一することはかなり難しいのも現実なんです。
なぜなら、助産師も人間であり、
いろいろな妊婦さんや親子と出会った結果
編み出していく指導もあったり、
同じママであっても
おっぱいの状態は日ごとに変化していくので
今日の指導が1週間後にはガラっと違うものに
なってしまう場合もあるんです。
赤ちゃんもまた、
どんどん成長していきます。
昨日の赤ちゃんと今日の赤ちゃんでは
まるで別人というぐらいのスピードで
変わっていきます。
だから、何が正解なのかはそのとき次第!
やってみてからの結果論!
ということもしょっちゅうなんですね。
前回はこの方法でやってみたけど
うまくいかなかったから、
次はこの方法でやってみよう・・・と
その都度指導が変わるのは
ママを混乱させてしまう論点からいうと
ほんとごめん~と思うのですが
助産師、保健師、小児科医、民生委員、栄養士、
ママに関わる支援者はたくさんいて
職業ごとに物事の判断基準や考え方の視点が
微妙に異なるのも、やむを得えません。
ママたちには、
自分が納得できる指導をしてくれる人の
方法を選択して実践してもらうことが
得策だとは思います。
でも・・・とはいえ・・・
それこそ立場変わって、ママの視点からいえば
同じ「助産師」のなかで
あまりにも大きすぎる”方針の違い”は
指導や支援とは言えない!と怒られても
反論の余地もありません。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいー。
白状すると、実は助産師といえども
みんながみんな、
母乳育児に詳しいわけではありません。
看護師の国家資格を得た者が
さらに進学して1年間の助産学カリキュラムを経て
再び国家試験を受け、
ようやく助産師の資格を得ます。
助産師学生は専門の知識を学びます。
もちろん母乳育児についても勉強するのですが、
その内容は決して満足できる程度とは言えません。
おっぱいケアの実習についても
「分娩介助」ほど時間を費やすことはありません。
母乳栄養、人工乳の補足の仕方などなど
言い伝えや慣習がまだまだたくさん信じられています。
入院中に産院の助産師Aに言われたこと。
同じく産院の助産師B、さらにはC・・・
同じ産院内であっても指導が異なって
Aの指導を守ったらBに怒られ
ママたちはいったい誰の言うことを信じればいいのでしょうね。
母乳分泌過多でばぶばぶに相談に来られたママ。
出産した産院では
3時間以上あけないように必ず両乳を飲ませて、
と指導されたので
3時間間隔を守って赤ちゃんが寝ていても
起こして授乳をがんばりました。
産後1ヶ月目の赤ちゃん訪問では
赤ちゃんの体重が増えすぎているから
泣いたら飲ませればいいと言われました。
起こしてまで飲ませる必要はないと。
また、飲み残しがないように
空っぽになるまで後搾りをするよう指導されました。
言われた通りにしていたら
2週間後に熱感をともなう
軽い乳腺炎を発症してしまいました。
そこで近くの助産院へ。
おっぱい開業の助産師は、
片乳授乳で飲ませなかった側のおっぱいの
授乳間隔が開きすぎたために
乳房緊満、母乳うっ帯を起こし、
それがおっぱいトラブルの原因だと説明されました。
片乳授乳はNGで必ず1回の授乳では
両方のおっぱいを吸わせるように。
さらに、後搾りは分泌過多を促進するため
必要はないとの指導でした。
ママは混乱です。
片乳授乳をしなさいと言われたから守ったのに、
今度は両乳授乳を促す指導?
後搾りをしろ、の次は、
後搾りはしない?
赤ちゃんを起こしてでも3時間ごとに授乳
と言われたと思ったら
起こさなくていいとの指導?
結局どっちが正しいのかわからず
どう動けばいいのか頭がぐちゃぐちゃになって
ばぶばぶに来られました。
どれもこれも
180度真逆の指導内容です。
ママが迷走してしまうのは無理ないです。
母乳に関する知識は、助産師になったあと
たくさんのママたちを診てきた中で
経験的に独学で学んだもの
セミナーや専門書などで勉強した
系統化された理論上の知識
その助産師自身の
プライベートとしての妊娠出産子育てという
人生から経験として学んだ知識と実践
多様な材料から、
助産師それぞれの独自的な論理と観点が生まれやすい
分野だと思います。
子どものころ
学校で習うほとんどの解答は
正解か、不正解か、どちらかでした。
大学で専門的な勉強に入って初めて
答えにはバリエーションがあるということを知り
社会に出てから、それらの答えには
ときには”理不尽さ”を伴うことに気づきます。
授乳に対しても
その方法が正しいのか間違っているのか
ジャッジしたくなったり
すぐに結果を求めてしまいますが、
途中経過も断乳卒乳も人によってさまざまで
これが正解!は、ないんですよね。
わたしは11回のおっぱいライフを経験しましたが
11回とも、子どもの個性も
おっぱいの状態も、授乳のリズムも
すべてが異なり、ひとりとして同じパターンには
出会いませんでした。
助産師も知識を入れて、経験を積んで
いろんなパターンのママに出会って、
日々研鑽しながら指導に当たります。
それでも子育ては
努力をすれば、正しい知識があれば
すべてのママたちが報われるわけではないから
本当に難しい・・・。
だから。
答えは、自分で出すしかないんです。
そして、自分が納得できない
結果が出ることだって多々あります。
助産師の指導を鵜呑みにして振り回されて
怒られて、落ち込んで、
自信喪失・・・
そんな経験から、助産師も保健師も
大っ嫌い!という人も
少なくないと思います。
わたしは、
わたしの考える「HISAKO式授乳指導」をひとつの方法として
ママたちにはご提案しますが、
それが全員にピタリと合うわけはないと思うし、
最終的にはママがご自分が納得できる方法で
授乳を続け、笑顔でいることができれば、それがすべてです!
赤ちゃんの体重が順調に増え
おっぱいをあげることにママがストレスを感じない方法なら、
あくまでも助産師の意見は1つの方法として受け止め、
それぞれの育児方針に寄り添ったやり方で
進めて行ってほしいと思います。
多くの助産師はママの力になりたいと考えています。
そばに寄り添ってくれる助産師。
ママの訴えを誠心誠意に耳を傾けてくれる助産師。
わたしが考えている、ケアとは、
助産師のやり方をすべて
押し付けることではありません。
ママの価値観に寄り添って
ときには自分の価値観を横に置いといても
軸が大きくズレることがないよう注意深く観察しつつ
ママのやりたい方法を尊重し、
ただ見守る優しさがすごく大切だと思います。
正しく新しい情報を与えることができる助産師を探しましょう。
そして、たとえ若くて助産師としての経験が少なくても、
真摯にそばに寄り添って支援してくれる
看護観を持つ人を見つけてくださいね。