赤ちゃんの反り返りにはいろんな考え方があります。
生後3〜4ヶ月ぐらいまでの赤ちゃん。
頭から足の先までピーンと伸ばして
背中を反らすことがよくあります。
首、もげるよー!( ̄◇ ̄;)
何か不快なことがあるときに
反り返ってアピールするのはわかりますが、
嫌なことがないときでも
グイーン!としょっちゅう反り返る
赤ちゃんたち。
赤ちゃんの身体のことは
そのほとんどが原因がわからない
偶然なものばかりなので
なんで反り返るのかも、
いろいろ仮説があるものの
医学的にははっきりした
エビデンスに基づく原因は
今のところわかっていません。
ひとつの仮説として
整体的な考え方で赤ちゃんの反り返りが
語られることがあります。
ときどき、
『赤ちゃんが反り返るのが気になる』
と、助産師に指摘されて
うちの子は病気なんでしょうか?
と不安になっておられるママに出会います。
「妊娠中のあなたの骨盤が歪んでいたせいで
赤ちゃんは丸い胎児姿勢が取れないまま
筋肉のコリがある状態で生まれてきた」
って言われたら、
ママとしてはつらいですよね・・・。
「それに付随して、
さまざまな場所に余計な力が入り
身体が緊張している状態になっているから反り返る」
と言われたら、
どうしよう・・・って不安になります。
赤ちゃんがよくグズるのも、
おっぱいを上手に飲めないのも、向きぐせも、
排泄がスムーズにいかないのも
すべて、おなかの中にいたときの
丸いCカーブの背骨を作る姿勢で改善されますよ、
というように
赤ちゃんの反り返りを
東洋医学的な見解からだけ見て
断定的に原因を決めつけてしまったり、
その症状に対して、
よい、悪い、を決めつけてママに伝えることって
すごく危険だと思うんです。
あるママは、
「背骨がまっすぐになる抱っこひもは
赤ちゃんの身体のコリを助長するから
あまり使わないほうがよい」
という指導を受けたそうです。
もし、抱っこひもの使用が
赤ちゃんの骨格の成長に悪影響を及ぼすと
はっきりデータが示されているのだとしたら
今頃、世の中から抱っこひもは抹消されてると
思いますし、
実際、たくさんある子育てグッズの中でも
抱っこひもは神です!
本当に便利。めちゃくちゃ重宝します。
それを使っちゃダメだと言われたら
ぶっちゃけキツイ・・・( ̄◇ ̄;)
また、あるママは、
「まっすぐの背骨で寝かせるB型ベビーカーは
使うべきではない。
背骨Cカーブの姿勢がとれる
A型ベビーカーの再購入を!」
と、勧められたそうです。
西洋医学と加えて、
違う視点から
赤ちゃんの身体を診ることの必要性は、
日々の仕事の中で痛感しますが、
反り返る理由として
可能性としての仮説は立てられても
どれも因果関係がはっきりせず
証明のしようもないことばかりです。
助産師がわざわざ不安を煽るような指摘をして
ママを不安にさせる必要はないと思うんですよね。
わたしたちは、
同じ姿勢で固まった筋肉をほぐして循環を上げ、
緊張を和らげるときにグーンとのび(反り返り)をしますよね。
赤ちゃんだって同じです。
脊椎、頚椎、腰椎・・・
身体を支える要となる背骨が成長途上で
腹筋、背筋もアンバランスな赤ちゃんだからこそ
大人以上に、何度も反り返ることで
本能的に生体機能調整をしているんじゃ
ないか
というのが西洋医学的な考え方です。
背骨がグイーンと引き伸ばされると
本来の自然治癒力が働いて
首や背骨の歪みが改善したり
赤ちゃんの強い緊張につながる硬膜や脊柱のねじれ、
緊張を解いたりするのでしょうね。
曲げる筋肉や伸ばす筋肉を
バランスよく使えるようになるには
それなりの時間が必要だし、
それまでは何度も力いっぱい突っ張って当たり前じゃないかな・・・。
おなかの中の環境が悪かったとか
ママの育て方が悪いとか
背骨のCカーブを保ててないのがダメだとか
そういう次元の話ではなく
赤ちゃんの反り返りは、
体の成長と運動能力の発達に伴い生じるもので、
いわば自然な身体の反応だよね、と
先日も整形外科の医師と話していたところです。
仰向け、うつ伏せ、抱っこなど
いろんな姿勢の中で体重を支えたり
手足を動かしたりしながら
力の入れ具合を調節することを学んでいき、
実際、バランスがうまく整う乳時期後半には
反り返りはほとんど見られなくなります。
ほっといても反り返らなくなるのなら
乳児期前半の反り返りに
目くじら立ててどうのこうの言うより
その時期が来るのを
静かに待てばいいだけのことじゃない?
と、思ったりもするのですが
いかがなものでしょう?