母乳育児のキャパオーバー
ばぶばぶに来ているママたちのおっぱいを診ていて思うのは、
どんなに頑張っても母乳が出ない人は
本当に数えるぐらいしかいないということです。
産んですぐ
ジャバジャバ母乳が噴き出すママもいますが、
そういう人はあくまでも少数派。
大抵は、母体の母乳分泌のスイッチが
スムーズに入るまでに数ヶ月を要します。
「おっぱい足りません」
「もっと母乳を増やしたい」
ママたちは訴えます。
そうですね。
現時点ではその通りかもしれません。
でも、そのようなママたちのおっぱいを
診せてもらうと、
乳房全体に無数の青い血管(乳腺)が
張り巡らされているのを確認できます。
乳腺は、赤ちゃんを育てるために
ちゃんと発達してるんですよね。
例えば、
うちの5歳児は今、小学生のお姉ちゃんたちに
触発されて九九の練習をしています。
九九は本来小学校2年生(7歳〜8歳)で学びますが、
5歳児だって十分
九九をマスターできる能力を持っています。
保育園の行き帰り、繰り返し
大きな声で「ににんがし〜!」復唱しているうちに
彼の頭の中には、九九が完全にインブットされました。
おっぱいも5歳児の九九と同じなんですよ。
九九を覚える能力があっても、
日々練習しなくちゃ言えるようにはなりませんね。
乳腺は発達しているってことは、
母乳分泌能力はあるってことを意味するのであって、
だったらあとは、その持ち合わせた
能力をいかにして開花させてあげるかって話です。
毎日繰り返し、赤ちゃんに吸わせて吸わせて
最初はうまくいかなくても
根気よく続けていくことで、
おっぱいは必ず出るようになるんです。
でも、多くのママは
『数日ちょこっと練習しただけで九九が言える』
と同じことをおっぱいに求めます。
『たった1〜2ヶ月授乳しただけで母乳が出る』
いやいやいや〜〜〜〜
人間の身体、そんなに都合よくできてませんって!
母乳で赤ちゃんを育てたいって
いう想いがママにあって、
思うように出ないおっぱいを
根気よく吸わせることが、
ママの精神的、肉体的キャパシティー範囲内で
できそうな場合は、
もちろん、ママの気持ちを尊重して
「母乳でいけるように頑張ってみよう!」
背中を押します。
でもね〜・・・
ママのキャパって、
そんなに大きくない場合も多いのが現実なんです。
だって、毎日の生活の中で
努力しなくちゃいけないことや、
妥協しなくちゃいけないこと、
やりたくないけどせざるを得ないこと、
わたしたちは、た〜くんさん、抱えて生きています。
赤ちゃんが生まれたからって、
母乳育児のことだけ考えて生きてればいいわけじゃないですよね。
「おっぱいのことしか意識できません!
それ以外の人間らしい生活は、
しばらく放棄します!」
そういうわけにはいきません。
おっぱいのことだけ
やってればいいわけじゃないからこそ
ママたちは頻回授乳という行為に
キャパオーバーを感じてしまう・・・という
側面があるんじゃないかなぁと思います。
母乳育児は、
うちの5歳児の九九のように
決して無理をさせることなく、
それでいて、ちょこっとは努力して、
毎日積み重ねるその苦労を、
たいへんやし、しんどいけど、楽しくもあるかな〜
っていう、ママのキャパ範囲内で
滞りなく遂行できるものです。
何かを成し遂げるためには、
努力は必要ですよね。
なんの苦労もなく、スイスイと希望どおりの人生が歩めたら
人間、成長しません。
わたしがこのブログを続けるのは、
キャパ内だからです。
ボリュームある文章量をキープするブログを
毎日欠かさず更新し続けることは、
実はちょっとたいへんです。
昼間はばぶばぶで、
ママたちに向き合って仕事をしています。
通勤は片道1時間15分もかかります。
子どもたちとの時間や、家事、夫婦の時間・・・
そんななかで、時間の隙間を見つけては
ブログを書いています。
いや、たいへんですよ!
ぶっちゃけ!!(笑)
も〜〜・・・今日は休みたい。
そんな日もあります。
「よく続きますね・・・
ちゃんと寝てるの?」
と言われますが、
はい、まだわたしの中では、キャパオーバーには
なってません!
だから頑張れるんです!
人によって、心身の許容範囲は
それぞれ異なります。
得意不得意だってあります。
例えばわたしは、
ブログはがんばれるけど、
ばぶばぶの経理管理を毎日続けなさいって言われたら
たぶん(いや絶対)できません。
数字、ほんまに苦手なんです!
ばぶばぶが大事じゃないの?
ママたちを幸せにしたいって気持ちは
その程度なの?
・・・と、言われましても〜〜〜!o(`ω´ )o
できんもんはできんねん!
「え? もうギブですか?」
他の人が余力を持ってできる作業も、
算数に関しては、わたしは呆れるほど早く
キャパオーバーで心身崩壊ですよ!!
でもね、だからって、
ママたちへの愛がないのか?って言われたら、
ちゃいますよ〜!
愛のかたまりですよっっ!
苦手なことは、自分ひとりで抱え込まずに
便利なツールを使ったり
誰かに助けてもらえばいいじゃないですか。
それと同じように
母乳育児の苦労を楽しみながら
がんばれるママもいれば、
それが苦痛で苦痛でたまらない
ママもいるんです。
母乳でがんばることがキャパオーバーなら、
ミルクという便利なツールに頼ってもいいんです。
ミルクに手を出したからといって
ママ失格じゃないです。
そんなことで赤ちゃんへの愛情量を測ることなんか
絶対にできないですよ。
母乳育児はあくまで、
たいへんやし、もうやめたいと思うこともあるし、
なんでこんな苦労せなあかんねん、
と思う反面・・・
でも、楽しくもあるんよなぁ〜
だからやめられんねんっ♪
という範囲を逸脱しないママたちに、
がんばっていただきたいと思います!