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2019.01.24

4ヶ月児育児を楽しめなければ2年後の愛情不足をもたらす?

実家の支援が期待できない環境のなかで
はじめての出産を迎えたゆかママは
退院後、産後1ヶ月まで
産後ケアセンターのお世話になりました。

産後ケアセンターは
不安定なホルモン状態に翻弄される産後のデリケートな心と
出産で酷使された身体をゆったりと休めることができるよう、
助産師が24時間体制できめ細やかにサポートし、
癒しと学びを提供する施設です。

数時間利用から泊まり込みのショートステイまで、
それぞれの家族に適した方法を選択して
支援を受けることができます。

ママは、助産師とともに
前向きな姿勢と自信を持つことで
育児生活の自立を目指します。

ゆかママは産後ケアセンターで
こう言われました。

「この子は育てにくい子」

「育てにくい」って何でしょう。
大人視点で、やりやすい子、
つまり、普段の生活に新たに赤ちゃんが加わっても
生活の変化の振れ幅が少なければ
「育てやすい」のでしょうか。

赤ちゃんの生活のペースに
周囲の大人がうまく合わせられない状況になるなら、
「育てにくい子」なのでしょうか。

ゆかママは、
赤ちゃんはみんな、こういうものだと受け入れていました。
自分の子だけを特別に「育てにくい」とは
感じたことがありませんでした。

赤ちゃんは、抱っこしてほしいと
泣くのが普通ではないのか?

おっぱいは、まだリズムができていなくて
当たり前ではないのか?

それとも、うちの子だけ特別に
問題があって育てにくいってこと?

不安を助長されて、
ケアセンターを後にしたそうです。

そして先日、
自治体の4ヶ月健診のあと、久しぶりにケアセンターの
その助産師から「その後どうですか?」の
電話がかかってきたそうです。

「無我夢中で子育てしています。
かわいいとは思うけど、たいへんな方が勝って、
正直まだ赤ちゃんとの毎日にゆとりはないし、
楽しいと宣言できるまでには至ってないかなぁ・・・」

ママは今の気持ちを
ありのままに伝えたそうです。

以下が、2人のやりとり。
↓↓↓

助産師「おっぱいの回数は?」

ママ「2時間ごとぐらいで
3時間以上間隔があくことはないです。
夜はときどき4時間あくこともあるかな」

助産師「赤ちゃんが機嫌よくひとり遊びしていることはある?」

ママ「抱っこしないとすぐ泣きます」

助産師「センターに滞在していたときにも伝えたけど、
あなたの赤ちゃんはやっぱり育てにくい子のようね。
普通は生後4ヶ月にもなれば、グズって泣くことも減ってくるし、
ママたちは育児が楽しくなっているはず。
この時期にあなたの気持ちにゆとりがないのは問題。
それは、子どもが2歳になったときの愛情不足につながるのよ」

↑↑↑

4ヶ月健診で「健康に育っています」と褒めてもらえた直後の
産後ケアセンターからの急転直下の電話だったそうです。

ばぶばぶに飛び込んでこられたゆかママは
自信喪失、意気消沈されていました。

4ヶ月の赤ちゃんを育てているママたちは
みんな子育てを楽しんでいるんですか?
ほかの赤ちゃんは泣かないの?
みんな気持ちのゆとりを持って毎日アクティブに
過ごしておられるんですか・・・?

そう訴えるゆかママの隣で
赤ちゃんは目が合うとニコニコ笑ってくれました。

産後ケアセンターの助産師に
悪気があったわけではないとわかっています。

産後うつを危惧すると、
出産から1年未満の子育てに行き詰まってしまうと
たしかに・・・
統計上では、児童虐待や育児放棄といった
悲しいできごとが起きるリスクは上がります。

言いたいことは、わかります。
わかるんだけど、
伝え方がマズすぎます・・・。

ママたちが、一番不安になるのは産後1ヶ月間。
でも、そこを過ぎればすべてOK、もう大丈夫!
ではありません。

さまざまなママの不安や疑問は、
赤ちゃんの成長に合わせて
その種類も深さも刻々と変化しながら
次々に襲いかかってくるのです。

ママの心のテンションが落ちる原因は、
育児のことだけではありません。

身体的な疲労や睡眠不足、
おっぱいトラブル、母乳やミルクの不安、
赤ちゃんの成長、発達に関する不安、
家事、家族との調整の難しさ、
「よいママ」を目標にがんばりすぎてしまったり
周りのママと比べて落ち込んだり。

心配事は、ママそれぞれ。
赤ちゃんが生まれて4ヶ月経ったからといって、
ママの状態が一定であるはずがないですよね。

大家族が当たり前だった昔は、
出産を終えたばかりのママは1ヶ月間はいっさいの家事を休み、
上げ膳据え膳で身体を休めていました。

でも、現代の日本、
さまざまな事情で産後の休養が
実現できないママは増えています。

核家族化が進み、ご近所付き合いも希薄になり、
パパに協力してもらいたくても
仕事が忙しく、ママにゆっくり向かい合う時間もとれません。

たとえ実家の援助が得られたとしても、
最近の祖父母世代はまだ現役で仕事をしていることも多いし、
高齢出産の増加にともなって
孫ができる年齢も年々上昇しています。

娘のことは大切だけど、助けてあげたいって思うけど、
産後の娘と生まれたばかりの孫の世話を
一気に引き受けるには、祖父母の体力、精神力ともに
許容範囲を超えて無理がかかることもあるでしょう。

昔の子育て、今の子育ては
さまざまなことが変化しました。
なので、産院での最先端の指導内容と、
祖父母の過去のアドバイスが真逆で
ママが混乱を招くこともあって
養生のための産後の里帰りが、
かえってママを追い詰めるケースもあります。

だから産後1年(とくに最初の半年)は
ママの性格や健康状態、妊娠・出産の状況、
産後に置かれている生活環境などさまざまな要因を考慮した上で
慎重で受容的な姿勢での関わりが必要なんです。

「育てにくい子」とか
「ママの心のゆとりのなさが今後の愛情不足につながっていく」
なんて否定的な言葉は
口が裂けても発するべきではないでしょう。

そもそも、
今はまだ子育てを楽しめるレベルまで
キャパが達していなくても
未開発だからこそ、経験とともに必ず、
ママは成長していくはずです。

躍進中のママに対し、
価値判断をするべきではないでしょうし、
奮闘しているママの心身を根底から支える気持ちで
関わらないと。

言葉の裏、行間にあるママの本音や感情を敏感に汲み取って
個人的な考えを押し付けることなく
ママが自力で前を向いて進んでいけるように
さりげなく仕向けていくことが必要なんです。

ゆかママは前向きですよ。
思うようになかなかできなくても、
彼女は彼女なりに、一生懸命に
赤ちゃんに向き合っています。

分泌過多のおっぱいで、
赤ちゃんがうまく飲めなくて
おっぱいトラブル頻発中だけど、
負けずにがんばっているところです。

赤ちゃんは、表情豊か。
発育も発達も申し分なし!
よく動き、よく笑い、よく泣き、
この子のどこが「育てにくい」のか
わたしにはわかりません。

生後4ヶ月の赤ちゃんに振り回されて
戸惑う新米ママは当たり前の姿です。
わたしだって、第一子のときは同じでしたから。

今、心にゆとりがないことが
2年後の愛情不足につながるなんてことは
絶対に絶対に、ありませんよ!

ただし、1人で辛さを抱え込んで
「しんどい」って思ったときは、
どうか、あなたの気持ちを否定せず、
あなたのことを尊重して耳を傾けてくれる専門家を
頼ってくださいね。

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