発達障害 (1)音に過敏!
今日は
自閉症スペクトラム症、ADHD、軽度の知的障害の
小・中学生に向けて
『いのちの授業』を行いました。
発達障害を抱える子どもたちは
人一倍、集中力がありません。
多動性があるので
じっと座っていられない子もいます。
そんな特性を持つ子たち
いかにして
わたしの話に興味を持ってもらい
耳を傾けてもらうか・・・?
絶対、こっち向かせたる!
笑いも、とってやる!
気合い入れまくりで
がんばってきました〜〜〜!
発達障害。
「障害」って言葉がつくので
なんだかすごくたいへんな問題を抱えている
特別な子のように思えるけど、
性格的な部分で、いろいろこだわりが強くて
ちょっと個性的なだけで
ごくごく普通の子どもたちです。
わたしも昔は、
発達障害についてろくに知識もなかったので
どこか他人事でした。
そして心のどこかで「かわいそう」とか
「将来どうなるんやろ」とか思っていました。
でも、今は
3年前、小学校2年生のときに
発達障害と診断された娘、ななちゃんを育てているので
そういう特性のある子どもたちに対して
なんの偏見もなくなりました。
発達障害の子ってね、
実はただの子どもなんです。(笑)
子どもらしい子ども。って感じかな。
発達にデコボコがあって
得意なことと苦手なことが極端なので
個性的に映るかもしれませんが、
感情のままに行動するので
ずる賢さとか裏表がなくて
定型発達の子たちよりずっとピュアだったりもします。
うちの5年生の娘、ななちゃんは
・落ち着きがない
・売られた(売られてなくても)喧嘩は買う
・一旦キレると収拾がつかなくなる
・したくないことはまったく集中できない
・ざわざわした音に過敏
心地よくない、嫌だと思ったことに対して
我慢するっちゅーことが器用にできないので
ママであるわたしは
ご迷惑をかけた方々に頭を下げてばかりです。
これが第1子だったらきっと
育て方が悪かったのかな・・・自分のせいだ
と悩んだかもしれませんが
幸いにも、うちは子だくさん ^ ^
他のきょうだいたちと比べても
ななちゃんだけ、たったひとり
いろんな目立った特性が突き出ているので
育て方うんぬんじゃないのは一目瞭然。
うん、どう考えてもママのせいじゃない。
ななちゃんが7人目の子でよかったわー!
おかげでわたしは自分を責めずに済んでいます。
ななちゃんの『困ったこと』は他にもいろいろあって、
注意欠陥という特性から物の管理がとても苦手です。
どこに置いたかすぐに忘れてしまうので
いろんなものが消えていきます。
先日はメガネをなくしました。
本人はどこに置いたかわかりません。
探したけどなくて
諦めて新しいのを作った途端に
ベッドのマットレスの下から出てきました。
(なんでそんなとこにあるん〜!)
体操服、上靴、三角定規に連絡帳
なくなってしまうことはしょっちゅうです。
夏は暑いのか、
学校でもところかまわず上靴、靴下を脱いで
裸足になってしまいます。
脱ぎっぱなしの靴下は、放置のまま帰ってきちゃうので
彼女の靴下はすごいハイペースで行方不明になっていきます。
「脱いでもいいけどお願いやから持って帰ってきて」
頼んだところで守れるはずもなく
ママは靴下買ってばっかりです〜!
「嫌なことがあったときは
怒ったり叫んだり暴れたりしないでまず先生に言う」
を、学校での行動目標にしていますが
発達障害のななちゃんには
その目標を達成することは逆立ちするほどの難題です。
本人、がんばろうとしてるけど、
なかなかね・・・
発達障害の特性のひとつとして
教室ではいろんな音が同時に耳に入ってきてしまい、
必要ではない音だけを選択して
シャットアウトすることができません。
とくに一部の男子が大きな声で騒いでいることに
イライラしてしまいます。
つまり、必要に応じて耳に入ってくる音を区別し、
取り入れたり雑音として聞き流したりすることが
うまくできないわけです。
すべての音が同じ大きさでワーっと耳に入ってくる
教室の環境は、彼女にとっては拷問のようかも
しれませんね。
不快なノイズから身を守るために
学校にはイヤーマフラーを持っていって
うるさくて耐えられないときに
音をシャットダウンするようにしています。
(先生の声も聞こえなくなるので
いいんだか、悪いんだか〜)
でも、タイミングを逃すと
ついイライラしてクラスメイトと衝突、
感情のままに怒り出し、授業中に暴れたり、
怪我をさせたり物を壊したり
問題行動オンパレードとなってしまいます。
高学年になってからは少しずつですが
大爆発という地雷を踏む前に
防衛本能を働かせて
イライラを落ち着けるために行動できるようになってきました。
教室の後ろで床に寝そべって本を読む。
それでもダメだと思ったときは
ふらっと廊下に出ていく。
階段の下、ワークルーム(空き教室)、校庭の端っこ、
自分が落ち着ける場所をフラフラ探しながら
歩き回り、クールダウン。
調子が戻ってきたところで教室に戻ってくる。
そんな毎日を繰り返しています。
4年生の1学期までは
普通学級にいたので
イライラをクールダウンする場所がありませんでした。
今から思えば
自分の居場所がないのは
本当にしんどかったと思います。
4年生2学期から、
普通学級と、支援学級、
両方に在籍することになりました。
イライラが爆発しそうになったら支援学級の
自分の居場所行って、
大好きなレゴブロック、読書を黙々とすることで
クールダウンできるようになりました。
後ろめたさを感じずに
しんどいときに逃げ込める場所を
作っていただいたことは、本当にありがたかったです。
発達障害の子は集中力がないことも多いです。
ななちゃんも例外ではなく、
授業中は、絵を描いているか読書をしていることが
多いそうです。
知的な遅れはないけれど、
集中力がないゆえに、ざわざわした教室では
内容が頭に入ってきません。
また、人の気持ちを汲むことが苦手なので
国語の授業や道徳の授業(物語の読解など)も苦手。
授業がよくわからないから
本を読む。絵を描く。
でも、ななちゃんの場合
読書をしながら、絵を描きながら
それなりに授業の内容を聴いていたりすることが
あるようなんです!
先生に当てられると
ちゃんと答えるっていうから驚きですよね。
読書してたのよね?
授業聞いてなかったよね?
なのに、なんで先生の質問に的確に答えられるの?
読書と授業、同時に両方内容把握なんて、
めっちゃ高度な技ですよね。
わたしにはできません。
ななちゃん、すげーや!(笑)
ちゃんと前を見ている=授業に集中している
とは限らないんですねー。
先入観、捨てなあかんな!
集中するための、読書。
好きなことをしながら
心が落ち着いているときには
授業の内容も耳にスッと入ってくるのかな。
家で宿題するときにも、よく鼻歌歌ってます。
彼女なりの、集中力アップ技術なんでしょうね。
落ち着きがないからこそ、
集中力を引き出す方法を自ら編み出す。
なんか、発達障害の子って
すごいな〜。
ある意味、定型発達のわたしには
持ち合わせていない能力があっちこっちに点在してて
尊敬してしまいます!