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2020.01.30

発達障害の子どもが急増している(1)

来年度、わたしの子どもたちは
沖縄の小中学校へ転校します。

低学年たちは
幼いゆえに順応性が高いと知っているので
あまり心配していませんが(軽く考えすぎ?笑)

高学年〜中学生女子の転校は
やっぱり心配・・

多感な時期の転校は、
うまく転べば強いメンタルを育む
すばらしい機会になると思います。

打たれ強く忍耐力のある子に
育ってくれるかもしれないし、

難しい時期であればあるほど
難しい地域であればあるほど
鍛えられていくのかな、とも思います。

春から中学生になる『ここ』は、
「転校しても大丈夫やで」
と言ってくれていますが、

ほんとに大丈夫かな・・・
やっぱりママは不安です。

女子特有のグループに、
どうやって入っていくのか?とか

内地から来た大阪弁を喋る転校生、
というだけでも
好奇の目で見られることもあるでしょう。

でも、本人が「大丈夫」って言ってるんだから
この子は大丈夫なんだと思うべきなのか。
思わないといけないのか・・・

心配だ、不安だとウダウダ考えたところで
どうなるかなんて始まってみないとわからないんだけどね〜

余計な心配をせずに
子どもを信じるっていうのは本当に難しいです。(^_^;)

なにより一番の不安は
発達障害を抱える新6年生『なな』の転校です。

転校前から学校に何度か出向き、
細やかなすり合わせ、下準備。
彼女が少しでも心地よいスタートを切れるように
親としてできることをしています。

転校先の校長から
こんな話を聞きました。

「ここ数年、
 発達障害がどんどん増えてる気がするんだよね」

毎年、新年度を前にして、
子どもを通級指導を受けさせたい、
または支援学級に入れたいと相談に来られる保護者が
確実に増えてきているそうです。

ちなみに、ななは
〝比較的軽い発達障害〟のため
通級指導を受けています。

通級とは、ななと同じように
比較的軽い発達障害がある子どもが
普段は通常学級に在籍しながら
各教科の補充指導など、その子に必要なときだけ
特別支援学級などの別室で個別に授業を受けることのできる
制度です。

文科省の調査では、
全国の公立小中学校で
通級指導を受けている子どもは
20年前と比べるとなんと7倍増という統計が
出ているそうです!

統計上、数値に示せば
たった20年の間に発達のデコボコを理由に
通級指導を受ける子の数が
急速に拡大しているのは一目瞭然なのですが、

ホントかなぁ・・・?
7倍って尋常じゃない倍率ですよ?

ホントに増えているのだとしたら
それはなぜ?

ここ10年で医学はかなり進歩しました。
昔の常識が非常識に変わったり、
昔の非常識が常識に変わったり、

発達障害の概念・理解は、医療界だけにとどまらず
家庭や学校現場にも広がり、
その可能性がある子どもの把握が進んだ結果のようです。

多様性あるさまざまな人の個性を重視する時代です。
それと同時に、発達障害に関する情報が
ちまたに溢れていて、

育てにくさを感じた親は、

もしかして発達障害かも・・・?

短絡的な疑惑に
直結する思考に行き着きます。

20年前なら単に
「変わった子」「落ち着きのない子」「すぐキレる子」
と見られて事実上放置されていた子たちが

医学の進歩の賜物なのか、
はたまた世の中が神経質になったせいなのか、
今はすかさず『発達障害』の疑いをかけられ
真意を見分けるチェックの対象になったのです。

たちどころに、
やれ受診だ、やれ療育だ、やれ特別支援だ、
警鐘を鳴らすかのごとく神経をとがらす時代に
なったのを感じずにいられません。

つまり、
そう診断される子が最近は圧倒的に増えたため、
統計上の数字でも現場の実感としても
発達障害児が増えたように感じられる・・・
たぶんそういうことなんだろうと思います。

わたしは小さいころ、
予測なく鳴り響く大きな音がとても苦手でした。
嫌いというより、もはや恐怖レベル・・・

運動会のピストルの音、
ぎょうざを焼いてるフライパンの音、
風船が割れる音、

両手で耳を塞いで
体を丸めて震えるほど、
その種の音が怖かったのを覚えています。

光も苦手でした。
真夏の太陽は、目を開けていられないぐらい
眩しさを感じて苦痛でした。

その場から今すぐ逃げ出したいほど
嫌で嫌でたまらなかったのは集合写真の撮影でした。
フラッシュの光は、
苦痛を通り越してもはや拷問でした。

もう光るかも・・・?いつ光る・・・?
考えただけで緊張がピークに達して
体の奥がザワザワザワ・・・
騒ぐような気持ち悪い感覚に襲われました。

写真に写る子どもの頃のわたしは、
例外なく目をつぶっていて

写真撮影のたびに、親や先生や友達から
「また目つぶってる〜」と笑いながら指摘されるのも
嫌でたまりませんでした。

わたしにとっては笑い事じゃなかったですから。
真剣に悩んでいたし、
本気で辛かったのに。

なんでみんな、寄ってたかって
平気で無神経なことを言ってくるんだろう。

誰も共感してくれない。
誰もわたしの苦悩に心を寄せようともしてくれない。

なんでわたしだけ、
みんなが普通にしていられることが
こんなに苦痛なんだろう・・・

ひたすら我慢するしか術はありませんでした。

みんながキレイだと大喜びする夏の風物詩、
打ち上げ花火は、わたしの苦手な大きな音と
明るすぎるパチパチした光、両方を兼ね備える
ストレス地獄でした。

小さな手持ち花火さえ怖かった。
大嫌いでした。

洋服のチクチク感にも人一倍敏感な子でした。

『目・耳・皮膚に突然入ってくる刺激に
 極端なまで過敏に反応する子ども』

発達の知識を持った今ならわかります。
こういうのを『感覚過敏』と呼ぶのです。

子どもの発達に対して、
最近の幼稚園、保育園、学校はとても敏感です。

なんらかの平均値から外れた傾向の子を見つけると、
いとも簡単に
「ちょっと気になります・・・」
と指摘されることも珍しくありません。

感覚過敏は、
必ずしも発達障害とは結びつきませんが、
発達のデコボコがある子に、感覚過敏が多い
という事実があるので、

わたしがもし、
今の時代に生きている子どもだったら

「発達障害の症状のひとつでは?
一度診てもらったほうがいいかもしれません」

と心配されたことでしょうね。

つづく

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