産婦人科の選び方(2)
過去11回とも大阪での妊娠出産でしたが、
里帰り分娩、地域の人気クリニック、帝王切開率が低い産院、
総合病院、助産院などなど、
個人的に、
リピートしたいな〜と思う産院に出会ったとしても
『経験こそが学び』
がモットーなので^ ^
11回の出産は
さまざまな産院で経験してきました。
次の妊娠では
あえて別の産院を新規開拓するという
実験的なことをしてきました。
仕事をする上で、
先入観や自分の好みを取り除き、
あくまで中立な立場から
よくも悪くも、地域の産院を熟知しておくことは
重要だと思います。
沖縄では、昨日のブログでお話しした
豪華な産院偵察のあと、
次に行ってみたのは
1軒目とは正反対の
ナチュラル志向の産婦人科クリニック。
産婦人科なんだけど、中はまるで助産院のよう。
木の香りがして、
待合室には椅子のほか、
畳のスペースがあり
たくさんの本や雑誌、クッションやひざ掛けが置いてあって
妊婦さんたちは思い思いの姿勢で
過ごしておられました。
1軒目もそうでしたが、
分娩室には畳のお部屋が併設してあり、
フリースタイルで出産できる仕様になっていました。
病院の雰囲気はまったくなく
大阪の古民家、
助産院ばぶばぶを思い出すようなリラックス空間でした。
一般的に産科医は
周産期医療の1分1秒の判断を迫られるような
緊迫した状況を多数経験しているので
必要時に必要な医療介入のもと
安全無事に出産を終えることを
最大目的とする考えを持って業務に当たられている
先生が多いように思います。
順調に進めばお産は幸せなことだし、
赤ちゃんには『生まれる力』があり、
産婦さんには『産む力』があります。
それは紛れもない事実です。
ですがそれは、
〝たまたま〟さまざまな好条件が重なって
うまくいっただけのことだと思います。
産む力、生まれる力はあれど、
いつの時代にもお産は命がけです。
いつなんどき何が起こるかわからない、
それが妊娠出産なのです。
「産む力」「生まれる力」
精神論だけがクローズアップされ、
スマートまとめられるのは理想論のきれいごと。
適切な医療介入があるからこそ
日本の周産期死亡率は世界トップレベルで
低いという事実があります。
お産の恐ろしさを知っているからこそ
医療介入を避け自然に任せるお産を極端に
推奨する考え方には
どちらかというと否定的な方向の
産科医が多い印象です。
が、2軒目の産婦人科クリニックでは
産科医が助産師的でした。(笑)
ただ
わたしは46歳。(高齢ハイリスク)
12人目の出産。(多産婦ハイリスク)
自然派クリニックは
代替医療なども取り入れながら、
なるべく医療介入せずに分娩を終えたいだろうから
わざわざこんなハイリスク妊婦を
引き受けたくないよな~(^_^;)
迷惑やろなぁ
とか・・・
いろいろ考えてしまいましたが(考えすぎか)
フリースタイル分娩や
繊維質たっぷりの玄米食、
こだわりの手作り出汁とお味噌を使った
家庭的な産後食。
おばあちゃんの家庭料理、という感じで
産後すぐのおっぱいには
めっちゃいい内容であることも魅力的でした。
さらに、産後の便秘予防にも
効果ありの食事だと思いました。
産院だけど助産院のよいところを
適度に取り入れ、
自然派だけど
思考のこだわりが行きすぎることなく
良いあんばい。
緊急の手術などには適切に対応。
(産婦人科なので当然ですが)
なによりわたしがもっとも重視する
スタッフ一丸となったチームの流れを
感じることができ、
忙しい業務のなかでも、
妊婦さんと世間話をして笑っている先生の姿は
印象的でした。
産科医の人柄が
スタッフたちの柔らかい表情に反映されているのが
一目瞭然にわかり、
受診されている妊婦さんたちも
みんな穏やかな表情をされていました。
1軒目のクリニックのような
スタイリッシュなオシャレさはないし、
超音波診断機も最新鋭ではなかったけど(笑)
わたしが大事にしている
「ママに寄り添う」温かい姿勢がありました。
コロナの影響で
夫立ち会い分娩も中止のご時世です。
お産は家族みんなで迎えるものである。
その上で、安全第一、
的確な医療的診断のもと、
あなたにとってすばらしいお産にしましょう
という産科医の言葉が
心強かったです。
立ち会いができなくなっている現状を
心底悔しがっているのは、妊婦以上に産科医でした。
めっちゃ熱く語るやん。^^;
いいじゃないですか〜。
素敵ですね〜。
豪華な設備、行き届いたサービス、
入院中の生活の質・・・
産院に対して最優先でこだわりたいことは
人それぞれ違うと思います。
わたしは、やっぱり産院トップの
院長の人柄が最優先項目です。
「妊婦さん、ママの心にいかに寄り添えるか』
12人目は、
ここで出産することに決めました!
(ああ〜たった2軒しか開拓できてへん!)