予防接種は打つべきか?
知り合いの看護師に予防接種は水銀は入っていて毒やから
やめたほうがいい!
と言われました。
現在4ヶ月の娘にワクチン接種を進めていいのか
なんだか不安でネットで調べまくっていますが
答えが出ません。
HISAKOさんの考えを聞かせてほしいです。
↑↑
予防接種に関して調べてみると、ネットや書籍には、
医学的に不正確な反ワクチン情報が本当に多いです。
なんかいろいろ
もっともらしく、恐ろしいことが書いてあって
不正確な「ワクチンは危険」という情報に
踊らされて不安になっている保護者の方は
けっこう多いと思います。
でも、そこに書いてある「危険」は
冷静に読み進めていくと
その医学的根拠はどこから?
出どころはハッキリしないものばかりです。
「ワクチンの水銀が自閉症のリスクを高めている」
という説が1990年代に指摘されましたが、
医学的根拠のない情報だったとして
ワクチンと自閉症の因果関係は
現在では否定されています。
WHO(世界保健機構)は2003年
「各種ワクチンに含まれる水銀性物質は
防腐剤として使われるが、
体内に入っても1週間未満で排泄されてしまうので
身体への毒性を示す証拠はない』
という見解を示しました。
その上で、脱水銀のワクチンができれば
それに越したことはない、という考えで
現在、すべてのワクチンから水銀性物質を
除去していく方向で研究が進められています。
また世界的に
ワクチン不信をあおる不正確な情報の氾濫を受けて
2年ほど前にWHOは
『世界の健康に関する10の脅威』の中で
「ワクチンを躊躇すること」
をあげています。
では
ワクチンはなぜ存在するのか、という
原点に戻って考えてみましょう。
それは、
その感染症に対しての確実な治療法がないからです。
実際、天然痘やポリオ、麻疹など
さまざまな感染症が流行して本当にたくさんの命が
失われてきたという人類の歴史があります。
だからこそ、ワクチンが開発され
多くの人が恐ろしい感染症から身を守ることが
できるようになったのです。
新型コロナウイルス感染症に置き換えて
考えてみたらわかりやすいでしょうか。
新型コロナには、確実な治療法がない・・・
そしてワクチンもない・・・
だから一旦発症してしまったら
対処療法しかないわけで、
さらには亡くなってしまうこともあります。
そのリスクの高さを
予防接種の副反応のリスクと比べる時点で
おかしい話だとわたしは考えています。
新型コロナウウイルスでは
世界中で外出自粛や3密を防ぐこと、マスクの着用などが
行われました。
それは、
自分だけがコロナに感染しないように、
自分を守る目的だけですか?
ひとりひとりの意識がもたらすのは、
マスクができない小さな赤ちゃんや、
免疫力が下がっている妊婦さん、基礎疾患を持つ人、
高齢者への感染拡大を防ぐこと、
だったはずです。
ワクチン接種も同じように考えてみましょう。
予防接種をしない人が増えると
犠牲になるのは接種をしなかった子ども本人だけでは
ないことが理解できると思います。
ひとりの意識が
多くの人を救うのです。
小さな赤ちゃんたちのママには
そんな先のことまで考えられないかもしれませんが、
わが子の将来を考えたとき、
例えば、彼らが医学部に進みたいと思っても
ワクチン未接種では医師になるための
実習さえも許可されず、
職業の選択の幅を狭めるリスクにもなります。
不正確な情報に踊らされた結果、
わが子の輝く未来のドアを閉めてしまう
ことにもなりかねない、ということも
知っておいてください。
なぜ不正確な情報に人は流されてしまうのか。
おそらく、ワクチンの効果によって悲惨な感染症が
昔より減った結果、その素晴らしい効果に
目が向けられなくなり、副反応ばかりに
着目してしまうようになったからでしょう。
その結果、反ワクチン運動が起こって
麻疹や風疹など予防すべき怖い感染症が
再び流行するということが
事実、繰り返されていますよね。
これらの病気は、
発症したときに苦しむだけではなく
難聴や知的障害、麻痺、先天性異常児の妊娠など
重大な後遺症をもたらすこともあります。
ワクチンに頼らず自然に強い免疫をつけたい、
という意見もありますが、
「今はほとんどない病気」であっても
根絶宣言に至っていない疾患の場合、
免疫を持たない人が増えれば
再度大流行する可能性をもっているのです。
わたしは、保護者のワクチン不信によって
予防接種をしなかった子どもが
感染症によって亡くなったというケースを
過去にたくさん見てきました・・・。
そのときのご両親の自責の念は
見ていられないほどのものでした・・・。
悔やんでも悔やみきれず、
予防接種を受けなかったことを
激しく責め続けておられた姿が頭から離れません。
そして
「予防接種は怖いからやめたほうがいいよ」
とあおった人たちは、
こんな最悪の事態になった場合に
決して責任をとろうとはしてくれません。
予防接種は
自分自身や自分の子どもを守るためだけに
行うものではありません。
周囲の人たちの命を守るためにも
全人類を恐ろしい感染症から守るために
大切なものだという価値観に
目を向けてみてほしいなぁと思っています。
予防接種には、発熱や接種局所の腫れなど
副反応が見られます。
また、ワクチンの製造過程で鶏卵や特定の薬品を
使っているためにアレルギー反応を起こす方も
存在します。
それでも、副反応のおこる頻度は
実際に感染症にかかり取り返しのつかない合併症を
引き起こす確率よりずっと低いことを
知っておいてくださいね。
ちなみに、ワクチンだけではなく
わたしたちが日頃お世話になることがある「薬」には
どんな薬剤にせよ、
効果があれば、副作用が必ずあります。
つまり、副作用のない薬はないのです。
その微々たる副作用を懸念して
あなたはすべての医薬品の使用を拒否しますか?
すべての医療行為を拒否して
今ここに生きているのでしょうか・・・。
さらには、ワクチンに含まれる
微量の水銀に過剰反応するのに
平気でお寿司を食べているというのも
辻褄の合わない話です。
海の食物連鎖によって水銀は濃縮され、
魚の体内に溜まります。
ワクチンに含まれるより
ずっと毒性の強い水銀を人間は
日常的に食べ、取り込んでいるのです。
なのに、ワクチンは毒だから
子どもに接種させないのですか?
そういったこともふまえ、
今一度、子どもの予防接種を受けるのか受けないのか
よく考えて決めるようにしてくださいね。